8日目  デリー - 成田 






   8日目  インド旅行最後の日

  観光客の減少

 今日はインド旅行の最終日。朝食6:15、バス出発7:00、ほぼ6時間かけ、最初の日に降り立ったデリーへ向かう。
 かなり退屈なバスの旅ではあったが、インド人のガイドさんが気を使い、いろいろ話をしてくれた。話の中で、この数年の中で起きたインドでの女性への襲撃事件や強姦事件のせいで、その情報が誇張されて世界に広がり、このところ外国からの観光客が大きく減少しているらしい。そのためガイドの仕事もかなり減少し、生活も苦しくなってきていると興奮気味に話していた。
 インドに観光に来ている我々に向かって怒るのも筋違いと思うのだけれど、実際相当減っているようだ。事件の報道を見て、観光客が二の足を踏むのも分かる気もするが、この様な影響も出ているようだ。 

 デリーに近ずくにつれ空気は次第に汚れ、また喉がやられそう。バスからデリー方面を見ると確かにスモッグのようなものがどんよりと覆っている。何しろ北京並みのPM2.5の濃度で、しかも郊外の歩道はほとんど舗装されていないのでかなりほこりが舞っている。 
 やっとデリーの中心部に入り少し落ち着いた街並みに来た。昼食はデリーでは珍しい日本食のレストランで、久し振りに和食の定食をいただいた。

  高さ72.5mのクトゥブ・ミナール

  昼食後は、やはり世界遺産に登録されている「クトゥブ・ミナール」見学。ミナールとは、モスクの尖塔(ミナレット)のことで、インド最初のイスラーム王朝である奴隷王朝(1206年~1290年)の皇帝クトゥブッディーン・アイバクが、ヒンドゥー教徒に対する勝利を記念して建てられたもの。塔は高さ72.5m、5層からなり直径は基部が14.3m、頂部は2.7m、1層目は、円形と三角形の断面が繰り返す造りで、コーランの章句を図案化したものが刻まれている。2層目は円形、3層目は三角形の断面が柱を取り囲んでいる。14世紀に後の王が4層目を修復し、5層目とドームを加えたが、ドームは地震で落下して今はない。

  
  純度100%の鉄柱

  近くの中庭には、高さ7mの鉄柱が立っており、たくさんの人が見入っている。これは3~4世紀に立てられ、表面にはサンスクリット語の文字が刻まれている。鉄の純度は100%近いとされ、不思議にいまだに錆びていない。
 
  直径25m高さ150mの幻の塔

 またクトゥブ・ミナールの北側には、基部の直径が25mもある塔の残骸のようなものがあり、その後の王が、クトゥブ・ミナールの2倍の高さの塔を造ろうとした基部の残骸らしい、完成していれば150mほどにもなる。
 
  
  守護神?

   帰り際に、何気なく撮った逆光のクトゥブ・ミナールの写真を見ると、塔から大きな鳥が飛び立つ写真が写っていた。偶然とは言えこれまでにない神秘的な写真が撮れた。
 
 帰りのバスの中で、たくさんのお土産品が紹介されたが、インドのあちこちで飲んだチャイが忘れられなかったので、チャイを数個お土産に買った。このチャイには、香辛料も加味されており、牛乳と生姜があればすぐチャイが作れるようになっている。
 
  帰ってからインフルエンザに

 帰りの便は、デリー発午後8:20のJAL740便、時間があるので、それぞれ適当に夕食を摂り買い物をして搭乗口に集まる。飛行機は時間通り出発、帰りの便もボーイング787-8、やはりゆったりして乗り心地はいい。ほぼ7時間あまり乗って成田には翌日の7:10に無事到着。成田からバスで羽田に行き、羽田、千歳と無事帰札。帰ってからインドで痛めた喉が原因かインフルエンザに罹ってしまい、1週間ほど家に籠ることになってしまった。

  世界の平和を作るパートナーとして

 長いようで短かったインドの旅を振り返ってみると、いつもと違い、まるで未知の世界に行くように少し緊張していた気がする。それは水や食べ物に対する不安がそうさせたかもしれない。大都会では空気の悪さも少し影響していたようだ。日本人の生活が清潔すぎることにより、身体の抵抗力がなくなってしまったこともあるが、やはり安心できる空気、水、食べ物は大切だと思う。インドは人口も13億近くおり、国土も広く、経済発展も目を見張るものがある。それだけに、インフラの遅れが非常に目立ち、国民生活の近代化もまだまだという気がする。国内的にも比較的安定し、将来世界の重要な位置を占めることのできる国と、日本が共に手を携え協力し合って行くことはますます重要になって行くものと思います。

     
   何気なく たむろしている人が多い       クトゥブ・ミナール、幻の塔の基部 
     
     
  クトゥブ・ミナール、1層目から2層目
  にかけての部分 
    クトゥブ・ミナール、塔に接近して撮影 
     
     
    電信柱もちょっと可哀想      クトゥブ・ミナール近くの純度100%の
  鉄柱は錆びていない 
     
     
   クトゥブ・ミナール近くの遺跡の一部         クトゥブ・ミナールと隣のドーム